中国税制コーナー:ユニラテラルAPAに簡易プロセスの導入②

今回と次回は、9月1日より適用開始とされる国家税務総局公告2021年第24号の「ユニラテラルAPAを適用するプロセスの簡素化」(以下「24号」といいます。)の公布とともに公表された24号の解説文を参考にしながら、当公告の内容を理解する上で最も重要なポイントをお伝えできたらと思います。

■24号の適用対象APA:
24号におけるAPAプロセス簡素化の対象は、ユニラテラルAPAに限られており、バイラテラルAPAと多国間APAは適用除外です。

■24号と64号との関係:
24号はAPAプロセスの簡素化及び各プロセスに係る処理期限の設定によって企業の申出からAPA締結までの時間は大幅に短縮されますが、APAの審査・評価・実施・監督等に関する実質的な内容は64号の規定通りで変更ありません。

24号におけるユニラテラルAPAの適用プロセスは、64号での6つのプロセスを3つのプロセスに簡素化されました。
・64号における6つのプロセス
① 事前相談→②意思表示→③分析及び評価→④正式申請→⑤協議及び締結→⑥監督及び実施
・24号における3つのプロセス
❶申請及び評価→❷協議及び締結→❸監督及び実施
つまり、64号のプロセス②、③と④を24号のプロセス❶に格納され、64号のプロセス⑤と⑥はそのまま24号のプロセス❷と❸に引き継がれています。
なお、64号のプロセス①は24号では、省略されています。

■24号の特徴:
24号では適用プロセスの処理時間に期限を設けられています。
❶申請及び評価のプロセスにつき、税務当局は申出法人から申出書の提出を受けてから、90日以内に実地調査をし、機能リスク等の分析・評価を行った上、書面として申出に関する受理の有無を明確に記載した「税務事項通知書」を申出法人に送達しなければならず、受理しないと判断した場合は、その理由を付することを義務づけられています。

❷協議及び締結のプロセスにつき、税務当局は申出法人に申出の受理を明記した「税務事項通知書」を送達した日から6月以内に申出法人と協議を終えなければなりません。(=ユニラテラルAPAの内容に対して双方(申出法人と税務当局)の意見が一致すること)
双方が期限内に意見の一致に達しない場合は、当該簡易プロセスが終了するものとされます。

❸監督及び実施のプロセスにつき、64号通りに行われます。

次回は、今回に続き、24号における申出法人の資格、申出法人の範囲、適用期間等についてご紹介したいと思います。
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<お願い>
本稿は個人的理解に基づく解説ですので、実務にご活用いただく際は必ず下記中国語の原文をご確認頂きますようよろしくお願いいたします。

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zhuying@ozzio.jp

24号及び24号解説文の原文:
http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810825/c101434/c5167276/content.html
http://www.chinatax.gov.cn/chinatax/n810341/n810760/c5167283/content.html
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2021年08月30日